塗料の種類による耐久性の違いについて
耐久性については、一般的にアクリル系塗料は4年~6年、ウレタン系塗料は7年~10年、シリコン系塗料は11年~14年、フッ素系塗料は15年~20年以上といわれています。
価格については、アクリル系塗料<ウレタン系塗料<シリコン系塗料<フッ素系塗料といった順になります。
価格の安いアクリル系塗料を、こまめに塗り替えていったほうがよいという考えもありますが、塗装工事をするたび、足場の組み立て、下地調整、養生といった塗装をする前の工程が発生します。そして、当然ですがお金もかかります。
耐用年数が長いものほど塗料の価格は高価ですが、塗装工事の回数を減らすことで長期的にはローコストになります。
また、周辺住民への配慮を考えれば、塗装工事の回数を減らすことは、重要な要素です。
施工品質の重要性について
塗料の耐久性は、塗料の種類以外にも、施工品質(下地調整など)によって影響を受けます。
下地調整とは、塗り替える前の外壁の素地に発生するひび割れやカビ、汚れを修正、除去する作業です。
下地調整では、カビ、汚れを高圧で洗浄し、ひび割れに樹脂などを注入して修正します。
脆弱な素地を補強するためには下地調整材は不可欠なもので、JIS A 6916で建築用下地調整材として規定されています。
JIS A 6916で規定されている規定されている建築用下地調整材は、大きくセメント系下地調整塗材、 セメント系下地調整厚塗材、合成樹脂エマルジョン系下地調整塗材に分かれます。
下地調整をしっかり行わずに塗装してしまうと、早期に塗料が剥離したり、水が外壁に侵入したりして塗料の耐久性が下がってしまいます。
下地調整で差が出る理由
下地調整は、手間暇がかかる作業なので、利益重視で工期を短くしようとする業者は、簡単に済ませようとすることがあります。
外壁塗装が完了してしまえば、下地調整の作業は表面に出ませんので手抜きの行われやすい工程でもあります。
